話を聞くということは、意識をどれだけ相手に向けるか。

2015-10-24

20代のころ、私は合計2年間ほど、ひきこもっていました。

そこで、一度出た時に出会ったキャリアカウンセラー、

そしてネットの友人に相談をされたこと、

母が毎月くれた本がきっかけで、

人の心理的な援助に興味を持つようになりました。

 

「将来、あの出会ったキャリアカウンセラーのように、

この本の人のように、自

分のように悩んでいる方のサポートができたら、

きっと、ここまで悩んできて、苦しんできた意味も、

人生の意味もあるんじゃないかな」 って、

そう思って、ひきこもりを脱出したあとは、

会社で働きお金を貯めて、色々なセミナーにでました。

 

どうやったら”人は前に進むのか”、

どうやって”人の気持ちと接していけばいいのか”

そんなことを考えながらセミナーを受けていきました。

 

そして、右も左もわからずに、

本当にいろいろな所に顔を出しました。

フォーカシング、エンカウンターグループ、

ゲシュタルト療法、NLP、再決断療法

交流分析 グループセラピー、コーチング、

心理学も一から一通り学びました。

 

本当に、色々な所に顔をだし、

様々な本を読み、勉強してきました。

しかし、どこに出ても”

どうやって人の気持ちを理解するのか”

を教えてくれませんでした。

 

心理学を学んでも

いろいろなセミナーに出ても

その具体的な方法を教えてくれませんでした。

 

これこれ、こうやったら人は前に進むという理論や方法は、

沢山教えてもらいました。

でも、”今”目の前の人が何を考えて、

何を思っているのか”を如何に”理解していくのかを

教えてくれる人はいませんでした。

 

ほとんどの場合は、ある理論を持ち出して、

今手を組んだからこの人は抵抗しているといったように、

理論に人をあてはめて理解しようとします。

すると、その理論で導き出された回答以外のことに目が行きにくくなります。

 

何よりも、過去に何があったとか、

この人はこういう人であるといったような、

理解の仕方は嫌だったのです。

 

何か目の前の人を本当の意味で見ていない気がして、

そして色々なことを見逃している気がして。

ある人がカウンセリングの上達の秘訣は、

「精神分析」がうまくなる事だといっていました。

 

それも、一つの見方でしょう。

ただ、私には合わなかったというだけなんです。

過去に何があったとかではなく、

”今”目の前の人が何を感じていて、

どうしていきたいのかを聞きたかったのです。

 

特に理論を学びたかったわけではなく、

その行動をした理由を知りたかったわけでもなく

目の前の人の”今の”気持ちに近づいていくにはどうしたらいいのか?

を知りたかったのです。

 

そして、それを教えてくれる人に出会ったことが私の人生の中で、

とっても大きな出来事でした。

「野川さん、今の表情気づきましたか?」

「姿勢が話す前と後で変わったことに気づきましたか?」

「今の声を聞いてどう思いましたか?」

「この気持ちに対してはなんて声を掛けますか?」

「リズムが少しずれています。

声をもっと相手に届けましょう。」

「カウンセリングは、開始2分間がとても大事です。」

本当に、いろんなことを学んできました。

 

そして、その学びはとっても楽しかったです。

自分の五感を研ぎ澄ませて

目の前の人の話を聞くことがとっても楽しかった。

ものすごく難しいけど、ものすごくやりがいがありました。

想像してみてください。

 

例えば、あなたに子供ができて、

その子供は人より不器用で、

話すのが平均より遅れていて、

医者に相談したら

「聴覚が人より劣っているので、もしかしたら話せないかもしれない。」

と言われ、 愕然として、心配に思っていたあなたに、

ある時、その子が声を振り絞って、

「パパ、ママ」ってあなたのことを呼んだとしたら…。

その声は、何回も聞きたくなりませんか?

 

その声は一生覚えているんじゃないでしょうか?

 

たどたどしい言葉で発する姿や、

その声から伝わってくる感じや、その時の表情や、

そのリズムやトーンや、力強さ、

その言葉を発した背景を思い、

一生懸命取りこぼさないように

その瞬間を取りこぼさないように、

その子の声をきこうとしませんか?

聞くってそういう事だと思うのです。

 

そして、聞こうとするってそういうことだと思うのです。

聞くというのは、話の内容だけを聞くわけではないのです。

目でその子の表情や、

口元や、姿勢や、手や目の奥に宿る気持ちを見るんです。

その耳で、振り絞った声の重さや、

リズムやトーンや、力強さ、かぼそさを聞くのです。

その身体で、その声から伝わってくる気持や、

背景を受け取るのです。

まだまだ、入口に立っただけで、

出来てない時も多いのが現実ですが、

そうありたいものだと思います。


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